モバイルゲーム開発費用の増加

ここ数年、モバイルゲーム開発にかかるコストは、上昇する一方です。多くのゲーム開発会社が協力し合い、ゲーム開発に投資しています。DeNaが任天堂とパートナーシップを結んで、スーパーマリオランを開発したことなどが一例ですが、開発にかかる費用は日に日に増加しています。

ゲーム開発のコスト高騰の背景には、ハードウェアの高いスペックに合わせた3Dグラフフィックス、より複雑化するモバイルゲーム、さらに一段と高まるユーザーデマンドが挙げられます。

通常、企業の開発コストは公にされませんが、近年では、主要なモバイルゲーム販売元がデータ、ニュースや予測を公開し、シェアしています。しかし、ここで重要なのは、これらはゲーム開発のコストのみであって、実際の運営、マーケティングやその他活動は含まれていないということです。

日本のゲームコンサルタント会社、カタンゲームスのCEOを務めるセーカン・トートー氏によれば、日本におけるモバイルゲーム開発コストは、特に高くなっているとのことです。彼の分析によれば、1つのゲームの開発にかかるコストは、350万ドルから900万ドルまでに上昇しているそうです。

一方、DeNaとパートナーシップを結んだ任天堂は、各ゲームを作るのにかかった費用は、およそ450万ドルだったと報告しています。これには、マーケティングやその他のコストは含まれていません。

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さらに、海外の大手企業も、ゲーム開発の高いコストに影響を受けています。ソーシャルネットワーク大手のグリーなどです。この会社の最も大きなスタジオであるライト・フライヤー・スタジオでは、モバイルゲーム開発コストは450万ドルから900万ドルになると試算しており、それよりさらに高くなると予測する専門家もいます。

ゲーム開発の高いコストが、任天堂などの大手企業によるモバイル業態への参入において、どのように影響するかは不明です。任天堂は、現在、年間あたり2または3作品のスマートフォン向けのゲームをリリースする計画ですが、開発コストの高騰に対して、得られる利益が少なければ、モバイルゲーム開発の取り組みが鈍化する可能性もあります。

任天堂の第77回株主総会において、君島達己社長は、モバイルゲームのマネタイゼーション方法について模索を続けると述べました。過去にリリースされたゲームはそれぞれ異なる戦略を取ることで、売り上げにつなげてきました。例えば、昔ながらのゲームでありながら、利益の大きな「ガチャ」機能を持つファイヤーエンブレムヒーローズや、無料お試しできるスーパーマリオランなどです。